宮崎のゼフィルス
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ウラゴマダラシジミ
Artopoetes pryeri
絶滅危惧IB類(EN-r)
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ウラキンシジミ
Ussuriana stygiana
準絶滅危惧(NT-g)
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オナガシジミ
Araragi enthea
絶滅危惧IB類(EN-r)
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ミズイロオナガシジミ
Antigius attilia
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アカシジミ
Japonica lueta
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ウラクロシジミ
Iratsume orsedice
情報上足(DD-2)
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ヒサマツミドリシジミ
Chrysozephyrus
hisamatsusanus絶滅危惧Ⅱ類(VU-r)
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メスアカミドリシジミ
Chrysozephyrus
smaragdinus準絶滅危惧(NT-g)
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アイノミドリシジミ
Chrysozephyrus
brillantinus準絶滅危惧(NT-g)
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キリシマミドリシジミ
Chrysozephyrus ataxus
準絶滅危惧(NT-g)
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ウラジロミドリシジミ
Favonius saphirinus
準絶滅危惧(NT-g)
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クロミドリシジミ
Favonius yuasai
絶滅危惧ⅠB類(EN-r)
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オオミドリシジミ
Favonius orientalis
準絶滅危惧(NT-g)
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エゾミドリシジミ
Favonius jezoensis
準絶滅危惧(NT-g)
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フジミドリシジミ
Sibataniozephyrus
fujisanus準絶滅危惧(NT-g)
日本産ゼフィルス25種の内、宮崎県内には15種が生息している。宮崎には生息していないが、大分県、熊本県、鹿児島県には生息しているものを含めると19種となる。ゼフィルスはブナ科の樹木を食樹としているものが多く、全国各地で杉の椊林による伐採圧力を受け、減少してきた。ブナ科の常緑樹であるアカガシやイチイガシを食樹とするキリシマミドリシジミとヒサマツミドリシジミはかっては宮崎県内の山間部に多数生息していたと考えられるが、現在では自然林の伐採によりその生息域は非常に狭くなっている。それ以外の宮崎のゼフィルスは全て落葉樹を食樹としている。九州山地の高山帯に生息するウラクロシジミ、アイノミドリシジミやフジミドリシジミなどは、戦後の拡大造林政策により著しく減少したが、現在は天然林保護政策に変わり伐採による脅威はなくなった。その代わりに鹿害による食樹の天然更新が阻害されているため、将来の絶滅が危惧される。一方、里山のゼフィルスは宮崎県が椎茸栽培が盛んなためクヌギを椊樹とするアカシジミやミズイロオナガシジミはその生息環境が安定している。ただ,椎茸の生産性からクヌギが好まれるため、ナラガシワのみを食樹としているウラジロミドリシジミは、食樹の減少により個体数も激減している。宮崎県内に生息するゼフィルスの殆どがが宮崎県版レッドリストでは絶滅危惧あるいは準絶滅危惧に指定されている。