宮崎の蝶 No.56(1996.12.24)

(宮崎蝶類愛好会)


フタスジチヨウ・雄の複数回交尾(高崎浩一郎)
ジヤノメチヨウ科の自然交配・産卵(その12)(高崎浩一郎)
            シロオビヒメヒカゲ
マダラチヨウ科の自然交配・産卵(その3)(高崎浩一郎)
         リユウキユウアサギマダラ
              新しい生態の記録 
日向市、タテハモドキの幼虫期の記録(山元一裕)
日向市内でヒオドシチヨウを目撃(山元一裕)
夏のヤクルリの記録(阿部祐侍)
行縢山のキリシマミドリシジミ(安本潤一)
1995年・五ケ瀬町オオミドリシジミ産卵事例(安本潤一、小松孝寛)
日之影町追川のウラキンシジミ受難(山元一裕)
あの尾鈴山板谷で、ヒサマツミドリ(♀)を採集(山元一裕)
ウラキンシジミ落下幼虫の遅い記録(山元一裕)
県道沿いのオオミドリシジミ(中野 淳)
蘇陽町・大見口高原のゼフ成虫採の記録(怒和貞賞)
日向のゼフキチ(山元一裕)
         1996年夏の成虫採集記
’96夏の陣(阿部祐侍)
’96夏の陣part2(阿部祐侍)


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フタスジチヨウ・雄の複数回交尾(高崎浩一郎)


 1883年3月1日前年冬から冷蔵庫保管していた越冬幼虫15巣(新  

潟県奥只見産)を出し、ユキヤナギとコデマリ新葉切り枝を壜挿したも  

のをゴース布で覆い飼育したのが初めてであり、5♂♀が羽化したが交配

は行わなかった。次いで翌1984年19越冬巣(同上産地)を得て始め 

て自然交配を試みた。3月3日よりコデマリとユキヤナギ葉切り枝壜挿し

で飼育し4月10日から22日までに羽化した数頭の♂♀を簡易ケージ 

(photo1に示した型のもので1990年頃まで用いた)中に入れ陽当たりの

良い縁側に置いたが交配は上成功に終わった。さらに、翌1985年17   

越冬巣(同上産地)を主にコデマリ葉切り枝壜挿しで飼育し、羽化した4  

月22日1♂1♀、23日1♂、24日1♂計3♂1♀を簡易交配ケージ      

内に人れた。ケージ内にはイチゴのつぶしたものを自然吸蜜用としておい

たが♂より♀がより早く羽化し而も成虫の状態が悪く、交配は無理で4月 

25日全部死亡してしまった。同年5月10日新潟飼育の40蛹(同上産    

地)が送られてきたか、5月11日より16日まで全部羽化し、そのうち   

5月1l日3頭、12日7頭、以後教頭(♂♀上明)を加えて簡易ケー      

ジ内に放ったが、5月15日すでに1頭が死亡したのを最初に、5月22    

日までに全部死亡し交配は失敗に終わった。以上の交配は本職が忙しい時

期に行つたもので、成虫の管理など条件も悪く、また、記録も上正確な点

も多々あったが、要するに簡易ケージのような狭い空間での交配は難しい

であろうと云うことを示していた。                 



 そこで、もっと広い空間での交配を試みる必要があると考え、1985   

年11月16日に得た越冬巣(同上産地)を冷蔵庫保管し、1986年2      

月23日木城町上河内に作つていた旧大ケージ1)内のユキヤナギとコデマ 

リ枝に55巣枝をボンドで付けた。3月20日に見に行った時には可成大   

きくなった幼虫がいたが、4月中句から5月初旬までは残念ながら見に行 

けず、恐らく5月4日~10日位の間に多くが羽化したものと思える。5   

月18日にやっと見に行けたが、この時すでに成虫の姿はなく、また、産 

卵も発見できなかった。ひょっとすると交配は行われたが、産卵しなかっ

たとも推測されたが、交配失敗と判断した。次いで1986年12月に    

(以下工事中)